MNP手続きに必要なもの
携帯電話の回線を変更しても継続して同じ番号を使うことができるMNP(Mobile Number Portability)の利用には、乗り換え時にいくつかの手続きが必要となります。近年では格安SIMのサービス向上などにともない、メイン端末をMVNOの回線で使おうと考える人も少なくありません。
こうした場合にMNPを利用して電話番号を変えずにいれば、乗り換え後の新たな電話番号の連絡といった煩雑な作業等を大きく軽減することができるのです。乗り換え前の電話番号を利用し続ける場合には、どのキャリア間の乗り換えにおいてもMNP手続きが必要となります。これは大手携帯キャリアとMVNOとの間でも同様となっています。
MNPを利用しての乗り換えを行うには、運転免許証やパスポートなどの本人確認書類·クレジットカード·乗り換え元から発行されたMNP予約番号の3つが必要となります。クレジットカードについては、事業者によってはキャッシュカードやデビットカードなどでもよい場合もあります。MNP予約番号とは、モバイル通信事業者間で行うMNP手続きにおいて必要となる情報のことです。これは、乗り換え元の携帯電話会社にMNPの申し込みをすることで発行されます。
格安SIMに乗り換える際のMNPの手順
最初に行わなければならないのは、MNP予約番号の取得です。大手キャリアからMVNOへの乗り換える場合には、転出元である契約中のキャリアにMNP予約番号の発行を申し込むことになります。各携帯電話会社のショップで受付が可能なほか、電話による手続きやWeb申し込みからでも予約番号を取得することができます。各キャリアの公式サイトやサポートセンターなどでMNP手続きについて解説されているため、手続きを始める前に目を通しておくとよいでしょう。
MNP予約番号の取得にはキャリアによって差がありますが、およそ2,000~3,000円の手数料が必要となります。手続きを進めるにあたって、MNP予約番号の有効期限があることには注意が必要です。予約番号には15日という期限が定められており、これを過ぎるとMNP手続きを進めることができなくなってしまいます。できるだけ速やかな手続きを心がけましょう。
また、楽天モバイルのように申し込み時点での有効期限の日数に制限を設けている格安SIMもあるため、乗り換え先のMNP手続きも事前に確認しておくと安心です。なお、発行されたMNP予約番号の有効期限が過ぎても転出元のモバイル通信が使えなくなることはありません。期限を過ぎてしまったら予約番号を再発行してもらうことができるのです。
次に、乗り換え先のMVNOで新規契約を行います。申し込みの際にMNP予約番号を伝え、手続きを行いましょう。MVNOでの契約手続きが終わると、乗り換え元の回線は使えなくなることに注意が必要です。Web申し込みが主となる多くの格安SIMにおいては、SIMカードが手元に届くまでモバイル通信を利用できない空白期間が発生してしまいます。
しかし、近年では申し込み形態によっては即日利用可能な事業者も増えています。最後にSIMカードの受け取りと初期設定を済ませれば、MNPを利用した格安SIMへの乗り換え手続きは完了です。格安SIMへの乗り換えを行う際に注意したいのは、こうした手続きを行う時期です。大手キャリアの多くのプランは2年間の継続利用を前提とする契約であり、また契約更新月を過ぎると自動的にこの契約が更新されてしまうのです。
この契約期間中に乗り換えを行ってしまうと契約解除料や違約金がかかり、初期費用がかさんでしまうことがあります。乗り換え先のMVNOにもよりますが、契約手続きには1週間程度の期間がかかることを考えて、契約解除料のかからないタイミングで乗り換えできるようなスケジュールを立てる必要があるでしょう。