大手キャリアと格安SIMの違い
一般的に、携帯電話のサービスを利用するためには通信サービスを提供している大手キャリアと契約をしなくてはいけません。大手キャリアは、大手のプロバイダが提供していることもあって通信設備が整っており、安定したデータの送受信ができるため日本全国のほとんどの人が利用しているサービスになっています。
しかし、キャリアのサービスには従来から一つだけ問題点があると考えられてきました。それは、基本料金が非常に高いという点です。これは、携帯電話の端末がスマートフォンに変わってからより顕著になりました。
スマートフォンを利用した携帯端末の基本料金は、2017年現在で平均して7,000円以上であると考えられています。一月に支払う金額にしては利用者の負担が大きく、この負担を減らすために様々なサービスが考えられてきました。その一つとして、格安SIMというサービスが提供されたのです。
- キャリア…通信サービスを提供する大手の企業
- 格安SIM…キャリア以外の企業が提供する格安のサービス
携帯端末に関するサービスは、現在はキャリアとそれ以外の格安SIMを提供するMVNOという事業者が提供するサービスの二つに分かれています。MVNOは、大手キャリアから通信インフラを借りることでサービスを提供していますので、大手キャリアが提供する基本料金よりも費用を安く済ませることができます。
通信インフラを整える費用を必要としないことが、料金を安く設定できる仕組みです。また、最低限のサービスのみを提供することで、顧客に対して利用に関する責任をとってもらうかわりに、その部分の人件費や諸経費も削減しています。
そのため、サービスによっては月額でわずか1,000円から2,000円程度のサービスで済ませることもできるのです。大手キャリアのサービスとは異なって、非常に安い料金で利用できることから大手キャリアから格安SIMに乗り換えをするプランも出てきています。
乗り換え時のデメリットはほとんどない
格安SIMの魅力は、単純に利用料金が安いという理由だけではありません。大手キャリアから格安SIMへの乗り換えが容易であるという点も大きいです。現在、大手キャリアでサービスを契約している人は、格安SIMの登場によってその安いサービスに乗り換えをしたいと考えている人も増えています。
格安SIMでは、大手キャリアと既に契約をしている人を対象として低額で乗り換えを可能にしてくれるサービスを実施しています。これは、通信インフラを提供している大手キャリアも協力しています。ただ、格安SIMに乗り換えをするとはいっても、今まで利用していた電話番号やデータが利用できなくなるのは非常に不便です。こうした点も、乗り換え時にはきちんと考慮されています。
- 電話番号の移行
- 内部データの移行
格安SIMに乗り換えるのは、大手キャリアからの基本料金などの契約内容だけで、再度スマートフォンを購入しなくてはならないというわけではありません。大手キャリアで使っていたスマートフォンをそのまま利用し続けることができますので、そのままデータを引き継ぐことが可能です。
現在の携帯端末は、SIMロックがされていた時代とは異なるのでSIM内に存在しているデータは移行しやすい状況になっており、大手キャリアと格安SIMのサービスの状況や相性が合致していればその後も容易に利用できます。
一般的に、格安SIMに乗り換えて使えなくなってしまうのは、契約によって利用可能だったキャリアメールくらいです。それ以外に関しては、現在契約をしているキャリアと、これから乗り換えをしようとしている格安SIMを提供しているMVNOの協力関係次第で、自由に端末もデータも利用することができるでしょう。