格安SIMへの乗り換えは少し複雑
毎月のスマートフォンの料金が高く、節約するために格安SIM(格安スマホ)へ乗り換えを検討しているという方も多いでしょう。NTTドコモ、ソフトバンク、auという従来の大手携帯電話キャリアでは、他社への乗り換え時にそれほど複雑なステップを踏む必要はありませんでしたが、格安SIMへの乗り換えとなると少し知識が必要となってきます。
キャリアの「2年縛り」解約可能月をチェック
大手携帯電話キャリアは、2年単位の契約を行う事によって月々の使用料を割り引く、いわゆる「2年縛り」を採用しています。この2年縛りの契約期間中、解約可能月以外の月に解約や乗り換えをすると違約金としておよそ10,000円程度の代金を携帯電話キャリアに支払わなくてはなりません。
携帯電話キャリアから格安SIMへの乗り換えを検討されている場合はなるべく違約金を支払う必要のない解約可能月に乗り換えを行いましょう。厄介な事に、この2年縛りの契約は知らない間に自動更新されている場合がほとんどですので、各キャリアのホームページにあるサポートページからマイページにログインし、解約可能月をチェックしておきましょう。
もし契約更新されたばかりで次回の解約可能月が当面先になってしまう場合は、格安SIMへ乗り換えると月々いくら節約できるかを計算し、違約金が相殺できる、もしくはそれ以上の節約効果が見込めるのであれば解約可能月を待たずに乗り換えてしまうのもひとつの手です。
今まで使っていたスマホはそのまま使える?
格安SIMのサービスを展開する会社の多くは、NTTドコモとauの回線を借り受けています。そのため、比較的制約が少なく今まで使っていたスマートフォンをそのまま使えるのがNTTドコモユーザーとauユーザーだと言われていますが、ソフトバンクの端末であってもSIMロックを解除すれば使える可能性はあります。
ただし、NTTドコモユーザーやauユーザーでも、現在お使いの機種や乗り換え先にもよるため一概には言えません。格安SIM会社のサイトでは利用可能機種(動作確認済み端末)が一覧で掲載されていますので、そちらをチェックしてみて下さい。
乗り換え前に行っておきたい事
連絡先や写真などのデータをバックアップする
格安SIMに乗り換えてスマートフォンを新たに購入するという場合は勿論、乗り換え先の格安SIMで今まで使っていたスマートフォンを使う場合であっても、SIMカード差し替え時の万が一のトラブルに備えて連絡先や写真などの重要なデータは、必ずバックアップを取っておきましょう。iCloudなどのオンラインストレージサービスを使うと、ケーブルを使わずに新しいスマートフォンにデータを移す事ができて便利です。
フリーメールなど別の連絡先を取得する
格安SIMに乗り換えると、それまで使っていたキャリアメールが利用できなくなってしまいます。LINEなど別の連絡手段がない場合は、キャリアメールが送れるうちにGmailなどのフリーメールのアドレスを取得しておいて、相手に新しいアドレスを知らせておきましょう。
まずは「音声通話付きSIMカード」か「データ通信専用SIMカード」のどちらかに決める
格安SIMで使われているSIMカードには、従来の携帯電話と同様に電話回線を使った音声通話が可能な「音声通話付きSIMカード」と、インターネットのデータ通信に用いる「データ通信専用SIMカード」の二種類が存在します。
データ通信専用SIMカードでも、LINEなどのアプリやIP電話を利用する事によって音声通話はできるようになりますが、今まで使っていた携帯電話番号を引き継ぐ事はできません。
番号を変えたくない場合は「番号ポータビリティ制度」を利用
格安SIMへはスマートフォンだけでなく、従来のガラケーからであっても勿論乗り換える事ができます。それまで使っていた携帯電話番号を、そのまま新しく乗り換えた格安SIMでも使いたいという場合は「番号ポータビリティ制度(MNP)」を利用します。
この制度を利用するには所定の手続きが必要となってきます。なお、番号ポータビリティを利用できるのは、電話回線を使った音声通話が利用できる音声通話付きSIMカードに乗り換える場合のみとなっています。
「番号ポータビリティ」の予約番号を入手する
番号をそのままで格安SIMに乗り換えるためには、番号ポータビリティのMNP予約番号を入手しなければいけません。この際、MNP転出手数料として3,000円(auの場合)程度の料金がかかります。MNPの予約番号は以下の方法のいずれかで入手する事ができます。
- 携帯電話ショップの店頭に出向く
- サポートダイヤルに電話をかける
- インターネット上で手続きをする
携帯電話ショップでの手続きには、免許証などの本人確認書類が必要となります。また、店頭での手続きは、土日ともなると待ち時間が発生する事も珍しくありません。電話やインターネットからの手続きがおすすめです。また、いずれの場合も転出理由を尋ねられます。
MNPの予約番号は有効期限に注意
上記の方法で入手したMNPの予約番号には、予約申し込みから15日間という有効期限があります。MNPでの乗り換えの際はこの有効期限内に手続きを行いましょう。
格安SIMへの乗り換えに必要となる物
格安SIMへの乗り換え手続きを行う前に、以下の物を用意しておく必要があります。
- 本人名義のクレジットカード
- 本人確認書類
格安SIMの提供を行っている会社の多くは、月々の料金をクレジットカード払いで行うようになっています。一部の会社では口座振替にも対応していますが、全ての会社が対応しているという訳ではありませんので、格安SIMの選択肢は大幅に減ってしまいます。クレジットカードをお持ちであれば、支払いはクレジットカードで行いましょう。
もしクレジットカードをお持ちでない場合は新しく作りましょう。本人確認書類は運転免許証やパスポートなどを用意します。健康保険証しかお持ちでないという場合は、保険証にプラスして公共料金の受領証や住民票などの補助書類が必要となる場合があります。また、データ通信専用SIMカードの契約であれば本人確認書類が不要なケースもあります。
格安SIMへの乗り換え方法
格安SIMの契約は店舗やオンラインショップ上から手続きを行います。この際、乗り換え先でも契約事務手数料が発生します。
格安SIM申し込みの手順(店舗)
スマートフォンの操作に不慣れな方や、じっくり話を聞きたいという方は店舗での手続きがおすすめです。店頭で番号ポータビリティを利用した手続きを行う場合は、MNPの予約番号と本人確認書類を持参し、機種やプランを選択して手続きが完了、店舗によっては即時開通となります。
格安SIM申し込みの手順(オンラインショップ)
オンラインショップ上で番号ポータビリティを利用した手続きを行う場合は、MNPの予約番号と本人確認書類を用意し、オンラインショップ上で希望する商品や契約方法、購入方法、プランなどを選択後、必要事項を入力します。
次に、本人確認書類をインターネット上にアップロードして、後日商品を受け取り、新しいSIMカードを説明書などに沿って端末にセットして自身で設定を行って、開通手続きをしてから利用開始となります。