緊急速報の種類
緊急地震速報(ETWS)
緊急速報(ETWS)とは主に自然災害の時に、気象庁が発信し、docomoでは「エリアメール」、auやSoftBankでは「緊急速報メール」としてユーザーに災害を予報するシステムの事です。この緊急地震速報は大量のスマホに1度に送信する必要があるので、通常使用されるメールやSMSとは違う形で送信されています。
現在、このETWSは世界標準の規格としてスマホ機能に組み込まれています。docomoの「エリアメール」の場合は、基地局から相手の区別なく一斉配信されるので、docomo端末であれば格安SIMへの乗り換えの区別はなく、基地局と電波さえ繋がれば受信出来るサービスとなっています。
また、auやSoftBankでも似たような強制通知システムを取っているので、auやSoftBankのキャリア端末を使用している場合、格安SIMに乗り換えていても緊急速報の受信は可能です。iPhoneを使用している場合も緊急速報の受信は可能です。
SIMフリースマホの場合も緊急地震速報は受信可能なので、端末が緊急情報に対応していれば通知可能となっています。ただし、スマートフォンの本体が緊急地震速報に対応していなくてはいけません。
Jアラート
「全国瞬時警報システム(Jアラート)」は、弾道ミサイル情報や津波警報など25種類の重大な情報を国(内閣官房·気象庁から消防庁を経由)が発信し、市町村防災行政無線などを自動的に起動させ、同時に住民にも速報するシステムです。
Jアラートを住民が受け取る手段は、屋内外に設置されている「防災行政無線」「テレビ・ラジオ」「エリアメール・緊急速報メール」などがあります。(Jアラート公式アプリはありません)※2014年4月1日よりJアラート情報の配信先にエリアメール·緊急速報メールが追加されました。
三大キャリアから発売されたスマートフォンの多くはエリアメールや緊急速報メールに対応しているので、乗り換えてもJアラートの受信は可能です。また格安SIMの回線を使用していたとしても、Jアラートに対応している端末なら受信出来る場合があります。ただしSIMフリースマホの場合、非対応端末も多くみられるので、機種別での確認が必要になります。
自治体防災情報
気象庁が発表する「緊急地震速報」と似たような性質を持ち、更に台風や危険降雨、河川の氾濫、土砂災害警戒情報など、総合的な緊急速報を住民に伝えるのが「自治体防災情報」です。自治体防災情報はETWSと同様に、基地局から電波が届く範囲のスマホに一斉配信され、キャリア端末や緊急速報対応の端末に届けられるシステムになっています。
しかしSIMフリースマホの場合、緊急地震速報には反応しても、自治体防災情報には反応しないケースが多くみられました。その原因は「緊急地震速報」の場合は、国際規格に基づいた信号情報が使われていますが、自治体防災情報の場合はdocomo、au、SoftBankなどの大手キャリアが、それぞれ独自で管理している信号情報が使われていて、その信号情報に端末が対応しきれない事にあります。
またSIMフリースマホは開示された信号情報に基づいて緊急地震速報に対応出来るように作られますが、自治体防災情報の信号情報は開示がされていない事がほとんどで対応が難しいといった問題もあります。
格安SIMで緊急速報に対応するには
格安SIMに乗り換えていても、三大キャリアが販売している端末をそのまま使用している場合は受信する事が可能です。またiPhoneで5s·5c以降に製造された機種であれば、SIMフリー端末であっても、すべての緊急速報を受信する事が可能です。それ以外のSIMフリースマホは緊急地震速報以外の警報への対応が難しいものも多く存在します。
緊急速報に対応出来るかどうかは、携帯電話会社の問題ではなく、実際にはスマホの機能が理由です。購入する場合は緊急速報対応機種を選ぶようにしてください。既にSIMフリースマホをお使いの場合は「Yahoo!防災速報」をインストールして防災に役立てる事をおすすめします。