格安SIMのメリット
2年縛りが存在しない
大手キャリアと契約すると、機種代金を分割して月額料金に上乗せすることで最新の高額なスマホを格安で入手できます。しかしサービス内容に満足できずに他社に乗り換えると、未払いの機種代金を請求されます。さらに1万円ほどの違約金も請求されるので、短期間で乗り換えると数万円を請求されます。
そのため、乗り換えたいのに乗り換えられない利用者が多く、こうした状態を2年縛りと呼んでいます。しかし格安スマホには2年縛りがなく、縛りがある場合も短期間で違約金も大手キャリアと較べて少額です。したがって契約した格安SIMのサービスに満足できなかった場合に気軽に乗り換えられます。
格安の料金で利用できる
大手キャリアが提供している通信サービスの月額料金はおよそ6,000~8,000円で、利用するオプションによっては10,000円を超える場合も少なくありません。しかし格安SIMの月額料金は平均2,000円ほどなので、大手キャリアから乗り換えることで月々のスマホ代を大幅に節約できます。
さらに格安SIMは利用する機能を限定することで、月額料金を数百円台まで下げられます。そのため、大手キャリアと契約しているものの一部の機能しか使っていないという方は、格安SIMに乗り換えることでそれまで通りにスマホを利用しながらスマホ代を大幅に下げることが可能です。
自分に合った料金プランを選べる
格安SIMは料金プランが充実しており、データ通信のみや音声通話のみなどの機能を限定した料金プランが用意されています。そのため大手キャリアの高額な料金プランを契約しているのにほとんどの機能を利用していないという方は、利用する機能を限定した格安SIMの料金プランに乗り換えることで月々のスマホ代を大幅に節約できます。
iPhoneでも利用できる
格安SIMのSIMカードは、大手キャリアで購入したiPhoneでも利用できます。そのため、iPhoneが欲しくて大手キャリアと契約したけれど高額な月額料金を負担に感じている方は、格安SIMに乗り換えることで購入したiPhoneを使用し続けながら月額料金を大幅に下げることが可能です。
通信エリアは大手キャリアと同じ
格安SIMはMVNOが大手キャリアの持つ通信設備を利用して提供している通信サービスなので、大手キャリアよりも月額料金が安いですが利用可能なエリアの広さに違いはありません。
特典を受けられる
格安SIMを提供しているMVNO各社は様々なキャンペーンを展開しています。そのため、契約するMVNOによって数万円のキャッシュバックやスマホの機種代金の割引、有料サービスを一定期間無料で利用できるなどの様々な特典を受けられます。したがって格安SIMに乗り換える場合は、月額料金やサービス内容以外にキャンペーン内容も比較することが大切です。
格安SIMのデメリット
通信速度が安定しない
格安SIMは、大手キャリアが所持する通信設備の一部分だけを借りて提供している通信サービスなので、大手キャリアと較べると通信速度が安定しにくいというデメリットがあります。とくに登校中の学生や出社時の会社員などが通信サービスを利用する早朝や深夜などの、通信サービスの利用者が多い時間帯に通信速度が低下しやすくなります。
乗り換え時にiPhoneを使えない場合がある
大手キャリアで購入したiPhoneはSIMロックが掛かっており、購入後101日目になるまでSIMフリーにできません。したがって月額料金を下げるために大手キャリアから格安SIMに乗り換えたとしても、所持するiPhoneが購入してから100日以上経っていなければそれまでの期間はiPhoneで格安SIMの通信サービスを利用できません。
iPhoneを購入できない
格安SIMでもiPhoneを利用できますが、格安SIMを提供するMVNOでiPhone本体を購入することはできません。そのため格安SIMによる通信サービスをiPhoneで利用したい場合には、アップルストアや大手キャリアなどで別に購入する必要があります。
初期設定は自分で行う
大手キャリアの端末セットプランを利用する場合は、あらかじめAPN設定などの初期設定が済ませてあるスマホを渡されます。しかし、格安SIMの端末セットプランを利用する場合は初期設定を済ませてないスマホが送られてくるので、自分で初期設定を行う必要があります。そのためスマホの扱いが苦手な方は利用できるまでに少し戸惑う場合があります。
キャリア決済を使えない
キャリア決済を利用するとネットサービスや通販サイトで使ったお金の支払いをキャリアの請求書に合算できるので、一緒にまとめて支払いを済ませられます。しかし格安SIMに乗り換えるとキャリア決済を利用できなくなります。したがって、それまでキャリア決済に頼っていた方は代わりに各種プリペイドカードやクレジットカード、銀行引き落としなどを利用して各種サービスの料金を支払う必要があります。
格安SIMの基本用語·1
SIMカード
SIMカードとは、通信サービス利用者を識別する個人情報が登録されたICチップカードのことです。新しいスマホを購入しても契約中のSIMカードを挿入することで引き続き通信サービスを利用できます。
またSIMカードには「SIMカード」「microSIMカード」「nanoSIMカード」と大きさの違う3つの種類があり、スマホに搭載されているSIMスロットと呼ばれる挿入口とサイズが合わないと挿入できないので注意が必要です。
SIMロック
SIMロックとは、SIMカードの抜き差しを自由に行えない状態のことです。以前は大手キャリアで購入したスマホは基本的にSIMロックされていたので、格安SIMに乗り換えても大手キャリアで購入したスマホは利用できませんでした。しかし、2015年にSIMロックの解除が義務化されたので、現在は大手キャリアで購入したスマホでもSIMカードを挿し替えることで格安SIMのサービスを利用できます。
MNP
MNP(携帯電話番号ポータビリティ)とは、現在契約している通信事業者から他社に乗り換えたとしても、使用中の電話番号を引き続き利用できるようにするサービスのことです。MNPを利用すると、乗り換えのたびに新しい携帯電話番号を友人や知人に知らせる手間を省けるので、契約している通信事業者に不満を感じた場合に気軽に他社に乗り換えられます。
MVNO
MVNO(仮想移動体通信事業者)とは、大手キャリアが持っている通信設備の一部分を借りて通信サービスを提供している通信事業者のことです。設備を借りているだけなので、提供する料金プランに設備投資費やランニングコストを上乗せする必要がないため、大手キャリアと比較して格安の料金で通信サービスを提供しています。
格安SIMの基本用語·2
通信速度制限
通信速度制限とは、月間5GBや月間10GBなどの料金プランごとに定められている使用可能なデータ容量の上限を超えて通信サービスを利用した場合に、通信速度が大幅に低下する仕組みのことです。
契約する通信事業者によって適用された際の通信速度が異なり、ほとんど一般的なネット利用が無理なほど通信速度が低下する場合もあります。また月間で利用可能なデータ容量が無制限の料金プランを契約した場合でも、3日で3GBなどの3日制限が存在するため、その上限を過ぎた場合に翌日まで通信速度制限が適用されます。
テザリング
テザリングとは、格安SIMが挿入されたスマホなどのモバイル端末をモバイルルーターとして使用する機能です。テザリングを利用することで、自宅で無線LANを使う時と同じように外出先でノートパソコンなどの通信機能を使用できます。
位置情報サービス
位置情報サービスとは、スマホやタブレットなどに搭載されているGPS機能を利用することで、モバイル端末の利用者が現在どこに居るのかを他の場所に居る人間が把握できるサービスです。そのため子供にスマホなどを持たせることで常に現在の位置を把握できるため、防犯目的で広く利用されているサービスです。
データ繰り越し
データ繰越とは、契約している料金プランごとに定められているデータ容量の上限に達しなかった場合に、余った容量を翌月に繰り越せるサービスのことです。たとえば月間10GBの料金プランを契約しているのに7GBしか利用しなかった場合は余った3GBが上乗せされて翌月のデータ容量上限が13GBになります。