格安SIM利用で考えられるデメリット
実店舗でのサポートが極わずか
利用中に何らかの問題やトラブルが発生した場合、機械の操作にも慣れた若い世代の方とは違い、機械操作が苦手な高齢世代の利用者にとって死活問題ともいえるのが、アフターサポートの有無と充実度についてです。
格安SIM各社でも、サービスの登場初期と比較すると十分なサポート体制を整えつつありますが、依然として大手携帯電話キャリアのそれと比較すると、十分な内容とはいえないのが実状です。
特に、実際に担当スタッフと対面して相談やアフターケアの依頼が可能な実店舗を通じたサポート体制は格安SIM最大の欠点の1つといっても過言ではなく、この点が理由となり格安SIMへの乗り換えを躊躇しているという方も少なくありません。
イオンモバイルなど一部の格安SIMサービスでは、実店舗でのアフターケアを全国レベルで実施していますが、実際に乗り換えや新規契約を実践する前に注意しておきたいポイントです。
キャリアの独自ポイント制度が適用されない
NTTdocomoをはじめとする大手携帯キャリアでは、人気沸騰中の格安SIMへの顧客流出の阻止を目的に様々な優遇サービス制度を実施しており、その中でも特にユーザーにとって強い恩恵として注目されているのが、独自ポイント制度です。
例えば、NTTdocomoではCMでもすでにおなじみとなったdポイントを実施しており、auではauWalletポイント、SoftbankではTポイントがそれぞれ当てはまります。
契約に関する諸費用や携帯電話の利用料金に応じてポイントがたまり、たまったポイントは実店舗での支払いにも充当できるなど、使い勝手の良さも徐々に広がりを見せています。
一方、格安SIMではこうした使い勝手の良さを謳う独自ポイント制度を実施しているところは、楽天モバイルやイオンモバイルなど自社で流通販売ルートを持つMVNOを除きほぼ皆無な上、NTTdocomoやauの回線を使用している格安SIMであったとしても、各キャリアのポイント制度の適用範囲外と見なされ利用できません。
結果、大半の格安SIMで限定的なポイント制度に留まっているのが現状です。
こうしたポイント制度の利用も見越した携帯電話やスマホの使い方を想定している方にとっては、契約前にチェックしておきたい点となるでしょう。
回線品質がやや不安定
格安SIMは、様々なサービスをそぎ取る形で低料金を実現した料金重視のサービスです。安くなった料金に比例する形で、様々なサービスで高い料金を設定する大手キャリアよりも劣っている点がいくつか存在しています。
中でも、通信や通話の鍵となる回線については品質があまり高くなく、特に回線利用者が急増し混雑する時間帯には、閑散時間帯と比べ速度が著しく低下しやすく、この結果、ストリーミング通信などに多大な影響を及ぼす恐れもあります。
このことから、普段からゲームアプリやトレードアプリのように通信を多く行うアプリを多用するヘビーユーザーの方の使い方を十分に満たしえない可能性も考えられるので、より回線品質が安定している大手携帯キャリアとの併用など、使い方に工夫が求められます。
欠点をおさえた上での賢い乗り換えを
どのようなサービスにも、メリットと共に必ず幾つかのデメリットが存在しており、格安SIMも例外ではありません。
価格の圧倒的な安さや契約や乗り換えのやりやすさなど様々な面でメリットを享受できる一方、今回ご紹介した幾つかの点が安さを謳う格安SIMならではのデメリットとして依然として存在していますから、良い部分だけに注目するのではなくこれらのデメリットの存在もしっかりと理解しましょう。
ご自身の利用環境や目的が本当に格安SIMで満たされるのかどうかをチェックし、契約後も後悔しない納得の乗り換えを実現させてください。