今話題の格安SIMや格安スマホってどういうもの?
スマートフォンの利用料金を下げる切り札
現在、広く普及することになったスマートフォン。
今までは昔ながらの折り畳み式の携帯電話、いわゆるガラケーを使っていたという人であっても、機種変更の際にはスマホへの乗り換えを検討するのは当たり前のこととなっています。
しかし、ガラケーからスマホに乗り換える際に一番の気掛かりとなるのはやはり利用料金の大幅な増加ではないでしょうか。
スマホは本体価格がガラケーよりも高価なだけでなく、データ通信量に関する各種プランも高めに設定されています。プランの内容自体も非常に複雑なため、どうすればスマホの利用料金を下げることができるのかわからず、仕方なく高い料金のままスマホを使っている人も多いようです。
そんな人にとって、まさに救世主となるような存在が格安SIMや格安スマホと呼ばれているものなのです。
格安SIMの仕組み
SIMカードとは、スマホ本体に内蔵されている小さなチップ状のカードのことです。
通常ドコモやau、ソフトバンクといった通信会社と契約した場合、その契約に関するデータはこのSIMカードに収められています。
スマホ本体は世界中の様々な会社が競争して作っているのに、実際に日本国内でスマホを使うには通信大手三社と契約したものしか使えないのはこのSIMカードの制限によるものです。
つまり格安SIMとは、大手三社とは異なる事業者がそれよりも安い料金設定で用意したSIMカードを意味しています。たとえSIMカードが格安であっても、それを入れるスマホ本体が最新式であれば問題なくスマホの性能は発揮されます。
また格安SIMを提供する事業者は、少し型落ちしたスマホ本体をセットで提供していることがあり、この格安SIMとスマホ本体を合わせて格安スマホと呼称しています。
最近のスマホはたとえ最新式でなくとも、一年や二年程度の型落ちであれば十分な性能を持っていますから、格安SIMと組み合わせることで非常に安価にスマホを持つことができるようになるのです。
格安SIMへの乗り換えでできることとできないこと
通信料金は安くなっても通信速度には注意が必要
格安SIMを販売する事業者がなぜ大手よりも安い料金設定が可能なのかというと、そういった事業者は肝心の通信インフラを自前では用意していないからです。
格安SIMを契約した場合であっても、実は利用することになるのはドコモ、au、ソフトバンクといった大手会社の通信インフラです。格安SIMの事業者は、大手から通信インフラを借り受けているという形になります。
少しわかりにくい話ですが、通信インフラはあくまで公共のものであるため、実際に管理している大手だけで独占してはならないというのが一応の理屈となっています。ただし実際には格安SIMを取り扱う事業者の多くが大手の子会社や関連企業であったりもするので、その辺りの細かい事情は消費者にはあまり関係のないところでしょう。
意識するべきは、通信インフラが同じである以上はたとえ格安SIMであっても通信の品質には大差がないという点です。格安SIMに乗り換える際に、大手と比べて繋がりにくくなるのではないかといった心配をする人は多いのですが、その部分についてはあまり気にしなくても大丈夫ということです。
しかし、一つだけ注意しておきたいのは通信速度についてです。
通信速度は多くの利用者が殺到する時間帯にはどうしても下がってしまいますが、格安SIMの場合には大手よりも速度がより下がりやすい傾向があるとされています。
これは混雑時の優先度の問題などがあるためですが、必ずしも遅くなるというわけではなく使い勝手については地域差や個人差が生まれます。地元での格安SIMの通信速度については、あらかじめ評判を確かめておくといいでしょう。